口腔内を清潔に保つことは、むし歯や歯周病を予防することはもちろん、口腔機能を発達させ、栄養改善を促し、身体の健康を維持することに繋がります。口腔ケアは“健康づくりの基本”とも言えるでしょう。しかし、障害児(者)においては、「口を開けることを嫌がる」「暴れる」などの問題から毎日のケアが難しく、むし歯や歯周病に陥るケースが増えています。改善するためには、介助者が歯や口の健康を長期にわたって維持、支援していることが重要です。
宮崎歯科福祉センター
障がいのあるために一般の歯科医院で受診が困難な方への歯科治療を行うバリアフリーの障害者歯科診療室と、在宅で寝たきりのため、通院が困難な方への訪問歯科診療、歯科保健指導の専門家を派遣する在宅歯科医療連携室を併設しております。
どなたでもお気軽にご相談、ご利用ください。
障害者歯科診療室(歯科福祉センター内)
診療案内 | 障がい児・者歯科診療、全身麻酔下歯科治療、静脈内鎮静下歯科治療、歯科相談、歯科健診、歯磨き指導 |
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診療日 | 月、火、水、木、金、土(完全予約制) |
受付時間 | 午前9時〜午前11時30分、午後1時〜午後4時30分 ※全身麻酔での歯科治療も行っております。 |
休診日 | 日・祝祭日 |
問い合わせ先 | 0985-41-4335 |
歯磨きのポイント
- 歯の外側は、噛んだ状態で磨いた方が磨きやすい
- 言葉での理解が困難な場合は、絵カード、顎模型、鏡などを用いて視覚に訴えてみる
- 歯磨きができたら褒める
- 無理して食後3回完璧に磨くのではなく、1日できれいにすればよいという気持ちで磨く
- 介助者自身がしてみせる(模倣)
- 可能であれば、できるだけ本人にさせ、自立を促す
「我慢させられる」「嫌なことをされる」という緊張感から
口腔ケアを拒否する場合があります。
食後のケアが基本ですが、嫌がる場合は機嫌のよい時間帯に行いましょう。
嫌がる場合の対処法
1.口を開けない
歯の外側から磨きましょう。歯を磨くことに慣れてくると、開けてくれる場合があります。
一番奥の歯の後ろの歯肉に指を入れて圧迫すると開くことがあります。ただし、指を怪我しないように注意しましょう。
2.ガチガチと噛んでしまう
歯の内側や紙合わせの部分は、割り箸にガーゼを巻いたもの(バイトブロック)を使って磨きます。
頬や唇の巻き込みや、グラグラする歯に注意しましょう。
3.歯みがきを拒否する
嫌がる理由(痛み・味・過敏・眠気・嘔気等)を把握し、対処します。
恐怖心が強い場合は、声かけしながら緊張を和らげ、1カ所だけ場所を決めて10カウントで徐々に馴らしていきます。歯ブラシは小さめで軟らかいものを使用しましょう。
4.過敏がある
頬のマッサージ(頬→口腔周囲→口唇→口腔内の順にゆっくり触る)を行ってから歯を磨きましょう。
5.唇が乾いている・切れている
拒否の原因にもなるため、口腔保湿剤を使ってみましょう。
こんな症状には注意、相談しましょう
歯科医師に相談
歯磨きを極端に嫌がる
歯や口の粘膜に炎症がおきている可能性があります。
口臭がある
大きなむし歯や歯周病の可能性があります。
主治医に相談
薬を服用していて歯や口に異常がある場合
けいれんや血圧、神経の薬を服用している場合は、口腔乾燥や歯肉の腫れの原因となることもありますので、担当医に薬の変更ができるかどうかを確認してみましょう。
まずは、施設でトレーニングを試みて
口を常に開けている場合は、歯並びや口腔疾患に影響します。
唇を閉じるトレーニングやぶくぶくうがいをを試みましょう。